犬山紙子さんの「私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました」読んでみました
最近、犬山紙子さんが気になる。
キッカケは目黒区5歳女児虐待死事件の後の「#こどものいのちはこどものもの」という一連の活動。
あまり詳しく知らずに、この方はどうして子どもの虐待事件に熱心なんだろうかと気になって、出版している本のタイトルをザッと見て、最近出産された事を知った。
その経緯…結婚をして、子どもを設けるかどうか悩んで、周囲の色んな女性にお話を聞いて、ゆっくりと自分の人生と子どもについて考えを固めていき、やがて妊娠・出産を経て育児に励む一連の流れをまとめた本「私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました」が非常興味深かった。
私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の?どうしよう?をとことん考えてみました
- 作者: 犬山紙子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2017/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読み進める中であっと思った。何だかバチン!と音がして目が覚めた気がした。
なぜか?それは思った以上にいろんな価値観の方が出てくるからだ。
わたしの周りは良くも悪くも、同じような道を進んできた人が多い。違うのは、出身地や年齢くらい。多くは会社勤めかもしくは専業主婦。
ここ最近のわたしは、何かに焦っていた。そして何かに対して罪悪感を感じていたような気がする。
育休をとって仕事をしていない自分、そして仕事をしていない夫。料理も上の子の世話も夫に任せている自分、「掃除はわたしがしてるけど」と言い訳がましく言ってはみるものの、実際大した家事もしていない自分。
何だか全てが中途半端に思えてきた。社会人としても、家庭人としても。いい妻でもないし、いい母でもない。
夫は偉すぎる。三食きちんとご飯を用意して、わたしと子どもたちに食べさせてくれる。すぐに苛立つわたしと違って、ゆっくりのんびり構えて上の子のイヤイヤ期に向かい合ってくれている。
えーっ、これって大丈夫かわたし。
働かなきゃ、仕事に復帰しなきゃ、稼がなきゃ
何かしなきゃ、何事か為さなきゃ、何者かにならなきゃ
先ずは復職だ、その為には子どもの保育園だ、否子どもの教育を考えると幼稚園か?幼稚園って延長保育は出来るのか?探さなきゃ、調べなきゃ、見学行かなきゃ、保活は情報収集が命だ、動かなきゃ、動かなきゃ、置いていかれる…
置いていかれる?誰に?何に?
今が全て
今の幸せが全て
今が最高に幸せだったらそれでいいじゃないと、もう何度も思ったのに。
人と違うから不安だった。周囲はしっかり保活してワーママ。パパは頑張って仕事して、昇進したり転職したり成果をあげたり、ママも頑張って仕事も家事も育児もこなして、子どもはスクスク育って、家族みんなが忙しい中でも幸せそうで。
でも、違って当たり前なんだ。わたしのいう「人と違う」の「人」ってほんのひと握りのピンポイントでしかない。その中ですら、本当に同じ人生なんてありえない。よそはよそ、うちはうち。よそと比較して一喜一憂、焦りを感じる必要はないんだ。
この本を読んで素直にそう思えた。
「うじうじ悩まないで決断して新しい道を切り開いていく人って、自分のことを信じられる人なんだと思う」本書の中で犬山さんが書かれている言葉。今の心にぎゅーっと染み渡る。
この本のメインテーマは「子どもを持つか持たざるか」だけど、そのほか全般的なことに通じる。「日々いかに生きれば自分で自分を信じられるようになるか」自分の選択に自信が持てるようになるか。
いつ復職するか、どうやって一社会人としての"母でも妻でもない自分"を取り戻すか、という一面的な悩みにとらわれてモヤモヤする日もあるけれど、せっかくの子どもと夫と過ごせる育休期間。今目の前にある、手を伸ばせばすぐに届く幸せを大切にしていいんだ。本の中に出てくる、色々な選択をした女性たちがその事を全面的に肯定してくれたように感じた。
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