夫に「育休取らないで!」と思う妻は63%!その理由は…
ネットでこんな記事を見つけた。
コミックシーモアが10代以上の男女5,278人に「イクメンに関するアンケート」を実施。育休を取るということは、毎日夫が家にいるってことですよねぇ……。
…だそうで。まずこの一文がしっくりこない。10代以上の男女へのアンケートでなぜ「旦那さんに育休を取得して欲しいと思いますか?または、過去にして欲しかったと思いますか?」なのか。ミスタイプかな?10代以上の女性のみなんだろうか。
あげ足をとるのはこの辺りにしておいて。(こんな感じのよくわからないアンケートの設問、もしくはタイプミス?のある記事なので、真正面から受け取ってはいけないというのを念頭に置いてください!)
旦那さんに育休を取得して欲しいと思いますか?または、過去にして欲しかったと思いますか?
「はい」36.9%
「いいえ」63.1%
わたしはこの結果を見て残念だなぁと思った。だって実際に夫が育休を取ってくれてこんなにも助かり、感謝をしてるから。でもそう思う理由の第1位を見て…驚くとともにまぁ納得。
◉目次
第1位の衝撃的な理由
1位 「旦那さんの面倒まで見なければいけないから」30.6%
衝撃的。このパワーワード。「夫の面倒を見る」とは何か?夫は…未成年なのか?いい歳して、結婚して、子どもも生まれたと言うのに、家事をしないことはおろか、自分一人の事すら出来ない男性がいるのか?
…と言いたくなるけれど、悲しいかなそういう男性は世の中にごまんといる、らしい。面倒とは具体的には三食の用意(家にいるとなると、朝昼晩準備しないといけないもんね)お酒を飲む人ならビールなどを出したり。酷いケースだと、自分の下着すら出せず、お風呂の時にはパジャマ下着バスタオルなど一式を妻に準備してもらう成人男性も…いい大人がですよ。今どき幼稚園でも「自分の身の回りのものは自分で準備・お片づけしましょう!」ってしてるというのに。そんな夫、義母に熨斗つけてお返ししたい!
たしかにそんな夫が育休を取ったところで、なんの役にも立たなさそう。猫の手の方がよっぽどマシだろう。
近くドラマ化するということで話題の「深夜のダメ恋図鑑」にも似たようなシーンが出てきたな…
「赤子の世話にオマエの世話がプラスされるだけだ」
育休を取らずとも、もし妻が妊娠したら(いやむしろ結婚し一緒に生活した時点で?いやいやいや、小学生でも出来るよ・・・)「自分のことは自分で」を肝に銘じて生活してほしい。妻は子どもの母親ではあるけど、夫の母親ではない。ましてや家政婦でも付き人でもなんでもない。
悩み深い仕事とキャリア、お金のこと
2位 「仕事に専念してほしいから」23.9%
4位 「出世や職場復帰が難しそうだから」10.9%
子育て世代(20代半ば~30代くらいが多いのかな?)は仕事も面白くなってくるし、責任も増えるし、キャリアを積みたい時期でもあって。夫にはここで頑張ってもらって、昇進するなり、収入を増やすなり、自分のやりたいことに邁進してほしい…そんな気持ちもわかる。わたしも、初めて夫から育休取得の意思を聞かされた時は、仕事やキャリアのことを心配してすぐにいいよ、とは言ってあげられなかった。(過去記事参照)
また、家計のことを考えても、雇用保険から給付金が出るとは言え、すんなりいいよとは言いにくい。
先日こんなツィートを発見して、ハッと気づかされた。
ちなみに、育休手当ては月給の67%(半年以降は50%)受け取れるけれど、受給の上限は約30万円(半年以降は月22万)だ。だから、たとえ月80万稼いでいても育休手当ては月30万しか受け取れない。高収入の男性が育休取るのは、この辺りもすごく悩むんですよ。家計に直撃するからね。
— Izmi (@Izumi72) 2018年7月17日
同じ世帯年収1000万だとしても、ダブルインカム合算での1000万円と、シングルインカム1000万円では育休取得時の家計に対するインパクトは全然違うのか。超ざっくり計算してみた。
- 夫(600万円)+妻(400万円)の場合 ※ボーナスはないものとする
月収は夫(50万)+妻(33万)
給付金額は最初の半年は66%なので、夫(30万 ※上限額にかかる)+妻(22万)で給付金は月52万円。
- 夫(1000万円)+妻(専業主婦で無収入)の場合
月収は夫(83万)
給付金額は最大30万円なので、月30万円
ん~これだと、高額の給与所得があり妻が専業主婦という家庭の男性は、相当な貯蓄、もしくは給与所得じゃない収入のある人以外、育休を取るのには相当な覚悟が要りそうだ。月30万円という金額それ自体はもちろん生活するのに不自由はない金額だけれど、おそらくこの家庭のこれまでの生活水準は維持できない。お金は大事だよ。
これは個人の問題だけじゃない。社会が本気で少子化対策を進めていくならば、まずは育休中の収入保障について何らかの手を打たないと男性育休の取得推進は難しいだろうな。
家計の問題はあるにせよ、夫が育休を取って家事育児をしたいと言った時には、夫の人生での優先順位(仕事、キャリア、子どもと家族…)のことも考えてあげないと、というのがわたしの気づき。夫の人生は夫のものだからね。
夫と妻、家事育児スキルの差の果てに・・・
5位 「足手まといになりそうだから」4.8%
これも悲しい話で…
でもこれこそ、少し前に話題になった「育児は人事マネジメント」じゃないかとわたしは思うのだ。
あの話は「大変なら何でも使って人手を増やせばいいじゃない」という話だった。わたしが意図するのはそうではなくて、家事育児タスクを効果的・効率的に回すために夫婦でチームとなって家庭をマネジメントしていこう!という事。
そのほかの事と同様に、家事育児だって得手不得手は出てくる。適材適所で家事育児を分担して、稼働がかかり過ぎている分野はチームメンバーがお互いにフォローする。初めてのことはOJTで学びながら業務に慣れていく。慣れてきたことは工夫をして効率を上げていく。仕事と一緒だ。
どちらがマネージャー(上司)でどちらが新入社員(部下)ということもない。夫婦は並列。どちらもプレイングマネージャーだと思えばいい。プレイングマネージャー同士、方針が違ってぶつかることはある。それだって仕事と変わらない。
育休を取って二人で育児をしながらの生活が始まると、お互いのペースが合わずに苛立ちを覚える事ももちろんあった。些細なことでも衝突というか・・・わが家でも小競り合いみたいなものもあった。その中で価値観や方向性のすり合わせができたり、お互いの地雷を踏まないように気をつけられるようになったりして、どんどん歯車が合ってきている感じがする。初めからピッタリ!しっくり!なんてあり得ないのだ。でも、我慢と衝突と諦めと(笑)そして話し合いの上に「夫婦二人のオリジナル家庭運営」があるとわたしは思う。
だからもちろん妻の方も、結果を早急に求めては良くないのだ、きっと。始める前から「足手まといになるだけだから、育休なんて取らなくていいよ」とは言っちゃいけないのだ。
こうして考えてみると、男性の育休取得推進(母親のワンオペ解消)は一朝一夕にできる簡単なものではないなぁ・・・と改めて。制度の問題(育休取得しやすい職場環境や休業中の給与の保障、取得者の復職後のキャリアについて)はもちろんだけれど、「自分のこと自分でできないマン」の撲滅、「男なんて役に立たないわ」という思い込みの解消(マターナルゲートキーピングについてはまた改めて考えてみたい)などなど、個人レベルでの意識改革も必要なんだろうしね。
夫の面倒を見るのが大変、夫は家に居ても役に立たない、なんて思いたくないな・・・。
せめて自分の子ども達が将来そんな風に思われないよう、当たり前のことだけど「自分のことは自分で出来る」くらいの生活力と自立した精神は身につけさせてあげないと。親としては責任重大。