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24時間、週に7日。妻であり、母であるわたしの雑感。

安室ちゃんからの”生きるヒント”を読んで

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その日の朝、目に飛び込んできたのは、某カルト宗教の教祖の死刑が執行されたというニュース速報。思わず「ああ、また一つ、平成が終わるんだ」と口をついて出る、平成30年7月の朝。

平成最後の夏、とあちこちで見聞きする。元号が変わるだけなのに、時代が大きく変わるような、ドキドキとどこか寂しさを感じるのは何故だろう。

 

この秋にはもう一つ、"ひとつの時代が終わる"と感じる事がある。現在ミドサー、30代半ばなわたし達の憧れだった安室奈美恵さん・我らが安室ちゃんが引退をしてしまうのだ。

 

最新号のViViでは、Lilyさん(本当に大好きで、ずっと読んでいるので、ここから先は敢えてリリちゃんと呼ばせていただきたい)が「最後のガールズトーク」としてインタビュー記事を掲載している。インスタでそれを知ったわたしはどうしても読みたく、これまでの人生で手にすることのなかったViViという、ちょいギャルめの雑誌をこの年にして手に取ることになった。

 

ViVi 2018年?8月号【雑誌】

ViVi 2018年?8月号【雑誌】

 

 

 

 

 

「安室ちゃんから全ての女のコへ」と銘打たれたインタビュー記事は、もちろんViViメインターゲットであるだろう10代後半~20代前半の女性に向けてのメッセージ性をもって書かれていたけれど、35歳で未だなお中途半端に生き方を探しているわたしにもグサリと刺さるものがあった。いや「グサリ」どころじゃないか。グリグリと劣等感が抉られる痛み。

 

だってさ、なんか全てがカッコ良すぎるんですよ。安室ちゃんはもちろん、リリちゃんだって。

 

10代半ばでデビューし、時代の波に乗って瞬く間にトップへ上り詰めた安室ちゃん。当時の女の子たちはみんな安室ちゃんになりたくて、眉を細くし、厚底ブーツで精いっぱい背伸びした。あのお人形のように小さな顔、骨格までは真似できないけど、少しでも近づけるようにシャギーを入れたロングヘアやメイクも研究して、細く見えるから小麦肌になりたいと体育の時間に肌を焼いたりしてた(実話 笑)

 

見た目や歌やダンスパフォーマンスだけでなく、人生そのものがカッコよかった安室ちゃん。人気絶頂の時にハタチで結婚し出産までする、その潔さがますますカッコよく映った。カラオケボックスで「Can you celebrate?」を歌いながら、わたしもオトナになったら若くして結婚して出産して、何かカッコいい仕事をしてやるんだと拳を握りしめてた。

 

…とここまで書いたが、安室ちゃんが女神様みたいに見えたあの頃、わたしは地方都市に住む平々凡々な中学生だった。いわゆる"いい子ちゃん"で、学級委員や生徒会を引き受けるような、成績は悪くないけど地味だからスクールカーストは限りなく下位の方、メイクはおろか細眉だってとんでもなかった。

安室ちゃんに憧れ、校則スレスレ、時には校則違反をしてまで安室ちゃんに近づこうとしていた、華やかで目立つ女の子達を横目に、その子たちの恐れをなさない素直さや大人の視線をはね除けるパワーを羨ましく思っていた。

 

 

一方、インタビュアーのリリちゃんは「作家になりたくて」DJやクラブMCを経てコラムニストとしてデビュー。自分のやりたいことに真っ直ぐ向き合い3歩先まで見据えて行動し、がっちり夢を叶えてきた女性だ。

コラムを書き、何本もの連載をもつ。小説を書き、ドラマ脚本に携わる。そして運命的な結婚、2人の可愛い子どもを授かって溺愛し子育てしながらも、どんとん仕事の幅を拡げ、今や「憧れていた」という安室ちゃんの大きな節目にインタビュアーをするのだから。そのプロセスが、キャリアがカッコいい。

 

文章を書いていきたいと思う自分の気持ちに蓋をして、「生活していかなければいけないから」と普通の就職を選び、ただ何となくぼんやりと30代半ばまで過ごしてきたわたしには、リリちゃんのガッツ溢れるキャリアパスは眩しすぎる。

 

こんなまばゆい2人が紡ぎ出した言葉、「20代のうちに」というエールを今になって受け止める。

「客観視できるかどうか(の力)は応用がきくので、それができるヒトは何をしてもうまくいきますよね。10代後半や20代半ばだと難しいですけどね。それを20代のうちに身につけられるかどうか、でやはり30代が大きく変わってくるとは思います。そこに気づける子と気づけない子ではだいぶ違うと思うので、それができたらいい30代を過ごせますね(笑)」

マジで?そうなの?そっか・・・。「焦りからくるパワー」も「自分を客観視しようとする力」もわたしには無かった。今ですら一歩引いて自分を客観視出来ているかあやしいものだ。わたしにはあれも足りなかった、これも足りなかったと持ってないものを指折り数えるのは辛い。

 

「いい子はいい子にしかなれないよ」と歌った安室ちゃん、当時からその歌詞にしっかり反応したリリちゃんにあって、自分に足りないもの。クラスの"イケてる"女の子達にはあって、地味ーズだった自分に足りないもの。もう取り返せない20代。これと信じたら踏みだし飛びこむ勢い、冷静に分析し修正して質を高めていくこと。

 

でもリリちゃんの言う通り、人生は思ったよりずっと長い。

「わたし自身が20代の頃には気づけなかったことの一つに、人生の長さがある。早く欲しいものをできるだけ”短距離”で掴みたいと焦っていた反面、人生もキャリアも実は”長距離マラソン”だった」と。

まさにその通り。10代の頃は人生のピークは20代のような気が漠然としていたけれど、今の時代人生100年でもおかしくないのだ。まだ折り返してさえいない。

これから40代に向けて、どう生き、どんな風になっていきたいのか考え、今から行動しても遅くないはず・・・だよね?今、このタイミングで記事を読んだのにはきっと意味がある。安室ちゃん、リリちゃんのメッセージをきちんとかみしめて日々生きていこうと思った夏のはじまり。