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24時間、週に7日。妻であり、母であるわたしの雑感。

するな!させるな!ワンオペ育児

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ちょっと我が目を疑うようなネット記事があったので。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

えーっと。ここのところワンオペ育児に関して、リスクが高いという話を何度も書いていて、またかよと言われてしまいそうだけれど。今日も今日とて「するな!させるな!ワンオペ育児」の話です。

 

ワンオペも 逆手に取れば ひとりじめ

 

どんなポジティブシンキングなんだろう。記事内に『プラスに転換できる発想』とのコメントもあったが、本当に本気でそう思っているのか。わたしにはこの詠み手が乾いた笑みを浮かべながら、自分の印は署名捺印済みの離婚届片手に自虐で詠んだ恐ろしいもののようにしか思えないのだけど。

 

これが「働くパパママ」川柳だということにも闇を感じるのだ。

夫婦共働き、かつ「ワンオペ」。投稿者はママだと思われる女性。さて、パパはどこへ行ったのか?仕事?残業?それとも、取引先とのお付き合い?もしくは今流行りの(?)フラリーマン*1だったらもっと悲惨。パパもママも働いている、その上でママがワンオペをしているという過酷な状況を詠んだものが”プラスに転換できる発想が素敵だ”と評価されていることにとても違和感を感じる。

 

入選作品の中に、通じるものを発見した。

 

究極の 裁量労働 ママ稼業

裁量労働制とは、労働時間制度の1つで、労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす制度のことです。 大きな特徴としては、出退勤時間の制限が無くなり、実労働時間に応じた残業代は発生しません。

 

裁量労働制とは本来、効率的に働いて正当に成果を評価される制度だが、もちろん家庭の家事育児に成果の評価などあり得ない。ひたすらに不当な長時間労働を求められるだけのママ稼業。その報酬は「子どもの笑顔」?それとも「子どもの寝顔」?そんなおためごかしはもう十分。一刻も早くこの「ひとりじめ」状態を根底から解消していかなくてはならない。

 

個人で発想の転換や、言葉遊びをして気分を紛らせたり、笑いにして昇華をすることは全然いいのだ。かくいうわたしも日々の生活の中で、いくらでもそんなことをしている。

朝昼夜中も関係なく細切れ睡眠で起きる乳児の下の子に対して「よっ!ショートスリーパー!この子めちゃめちゃ”意識高い系”じゃない!?」と言ってみたり。午前中にスイミングに行ったのに、お昼寝もせずに公園へ行って遊び散らかす上の子に対して「底無しの体力!いよっ!アスリート!行く末はオリンピックか?!はたまたW杯か!?」と言ってみたり。何が変わるわけじゃないけど、ちょっとクサクサした気持ちも晴れる気がするよね。(ええ、もちろん自虐です。)

 

でもそれと、企業の公募の川柳で、こうして大賞や入賞作品についてニュースになり、広く認知されていくような場で「働きながら子育てをする大変さをポジティブに転換したと評価」して持ち上げ、美談とするのはちょっと違う気がする。

社会構造上のひずみとして認知され「こんな状況おかしい!解消していきましょうよ!」と意見が盛り上がるキッカケとしてはとても良いものだと思うので、これを機に「ワンオペ育児」の危険性に対する認識と一人一人の意識改革、そして物理的に両親がしっかりと家事育児に参加できるための長時間労働解消を目的とした「働き方改革」がセットで進んでいけばいいのだけど。

 

◉「ワンオペ育児」が孕む危険性について書いた記事はコチラ

 

www.twentyfour-seven.xyz

www.twentyfour-seven.xyz

 

*1:働き方改革が広がる中で、仕事が早く終わってもまっすぐ家に帰らない人たちが増えているといいます。人呼んで“フラリーマン”。書店や、家電量販店、ゲームセンター…。「自分の時間が欲しい」「仕事のストレスを解消したい」それぞれの思いを抱えながら、夜の街をふらふらと漂う男性たちのことだそうです。