24/7

24時間、週に7日。妻であり、母であるわたしの雑感。

大変、大変って、何がそんなに大変なのさ。

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先日の、2人の男児を育てているお母さんの叫びの件。

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ひとまず落ち着かれたようで、本当に良かったです。

 

小さな子ども2人と1日中生活をすることがどんなに大変か、なかなか理解されない。育休中なの、と言うと「子どもと思う存分遊べて最高だね」「3食昼寝付き?」「毎日何してるの?」「子どもが寝てる間に勉強とか出来るね!」…全て微妙な笑顔で「ははは、そだねー」とかわすけど、心の中で「馬鹿言ってんじゃあないよ…」とヒロシ&キーボーが「3年目の浮気」を歌いだす。(年がバレますね)

 

かく言うわたしも、自分で子どもを産み育てるまでは分からなかった。周りの友達には既に子どもがいる子も居て、そんな感じの話を聞いた気もするけれど、「へぇ、大変なんだね」くらいにしか思わず、自分で体験してみて初めて「こりゃ・・・思っていたよりずっとずっと大変だぞ・・・わたしは何か大変な状況に陥ってしまったのかもしれない・・・」とようやく気づいた位だ。

だから、やっぱり実体験しないと何も分からないかもしれないけれど、少しでもこのお母さんや、世の自宅で子どもと1日過ごしているお母さん(が大半だろうけど、お父さんもいますように)への理解が進むことを願って、なぜ大変かを説明しておきたい。

 

  • 健康で文化的な最低限度の生活が出来ない

小さな子と1日中生活をすると、自分の時間なんて1分もない。水をちょっと口に含むことも、トイレでほっと一息つくこともままならない時期が確実にある。

乳児だと「起きているか寝ているか、でしょ?」確かにそう。起きている間は泣くか、お腹が空いているか、かまってほしいか。メリーやおもちゃで一人遊びをしてくれる赤ちゃんなんてフィクションの世界にしか存在しない。もちろん赤ちゃんにも個人差があるけれど、赤ちゃんは大方、泣いているかお腹が空いているか、もしくは「ママかまって!」サインを常に出し続けている。

これがハイハイを始めたり、掴まり立ち、歩くようになると今度は「後追い」が始まる。どこへ行くにも泣いて着いてくるので家事や料理のハードルがグンと上がる。夕食の支度をしたいけれど、泣きながらキッチンまで入って来ようとするので危なくて包丁も持てなければ火も使えない。とにかく抱っこしろと騒いで、掃除のひとつも出来ない。もちろんトイレも寝ている間にそ〜っと。子どもが寝ている数十分から1時間程度の貴重な時間の間に、トイレに行って、料理して、溜まった家事を片付けて。おちおち座ってコーヒーなぞ飲んでいられない。起きるまでに離乳食の準備もしなくては。

こんな状態で自分の時間なんて無いに等しい。あれ?そう言えばわたしお昼ご飯食べたっけ?今何時だろう?もう16時半?!そんなことザラだ。

お茶?昼寝?勉強?何それ、美味しいの?だ。文化的な生活なんて、この先子どもが大きくなる数年後(下手したら十数年後まで)訪れません!

※時折インスタなどで「赤ちゃんが寝ている間に、チクチクします♡」なんて刺繍や手芸をしているスーパーママが出てくるけれど、あれはほんの一握りの特権階級の人たちだと思った方がいい。赤ちゃんがとっても沢山寝られる子だったり、一人遊びが好きな子だったり、自分以外の大人の手があったり(実家で家族に手伝ってくれる人がいるとかね)。「わたしの要領が悪いからだ・・」「わたしの育て方が悪いから赤ちゃんが寝ないんだ・・」なんて自分を責めなくて大丈夫です。あちらが、特別なのです!!!

 

  • 自分の段取りで事が運ばない

 仕事であれば、効率を考えタイムマネジメントし、段取りよくマルチタスクで進められるが、乳幼児との生活では「段取り」など通用しないと思った方が良い。どれだけ綿密に、またバッファを見ながら1日のタイムスケジュールを組んでいたとしても「着替えイヤだ!」「お腹すいた!でもこれは食べたい気分じゃない!」「ママ〜これで遊ぼっ!」挙げ句の果てに出かける準備万端、さぁ行きましょう!という時に限って「ままぁ、トイレ〜!」が始まったりするのだ・・・何故・・・?

几帳面で、何事もきちっと時間を守って、コツコツと効率よく進めて来られた人ほど、この「段取りで事が運ばない」は相当にストレスだと思う。

 

  • 命を預かる責任が自分1人の肩にのしかかる

乳児を見ていると、怖くなる。「わたしがちょっとでも目を離した隙に、この子は突然死してしまうのではないだろうか」「泣きすぎて死んでしまうのでは」「うつ伏せで苦しくなって・・・」「オモチャか何かを飲み込んで窒息して・・・」赤ちゃんは本当に小さくて、フニャフニャで、どうしてもっと丈夫になってから生まれてきてくれないのかと、誰かを責めたくなる。こわれ物のような存在だ。そんな大切なものを一人で保護し育てていかなくてはならないプレッシャーは相当なもの。常に全身緊張状態だ。

だんだん大きくなり幼児になってくると突然死のリスクは下がるが、今度は事故のリスクが右肩上がりだ。幼児はとにかく何を考えているかわからない。大人から見ると「それ、どう考えても危ないから!死にに行くようなもんだから!」と言うような事を平気でしてみようとしたりする。ちょっとも目が離せない。子どもの性格にもよるけれど、危険と常に隣り合わせだ。

子どもを元気に育て上げることの難しさは、自分が親になってみないとなかなかわからないかもしれない。

 

こうして、家で1日中、乳幼児の育児しているお母さん(お父さん)は常にイライラ、ハラハラを繰り返し消耗しているのだ。これに加えて、円滑に家庭を回すための家事を少ない時間の中でこなしていかなければならない。本当に、本当に大変なのだ。

 

この大変さを知っているか、知らないかで、家庭の円満さは少し変わってくるのではないかなぁと思うのだ。もちろん「お父さんの理解」が全てでないのはわかっているけれど、少なくとも何が大変なのかを知ることによって「惣菜や中華合わせ調味料で作った料理は認めない」なんて発言はなかなか出来なくなるだろうし、多少朝寝坊しても「疲れてるよね」と共感出来るだろうし、お弁当が無くたって「コンビニでなんか適当に買って食べよう」とも思えるのじゃないだろうか。

 

男性の育休はこの点でメリットがあると思う。「どんなに大変か、お前も思い知れ!」と思って言っているわけじゃない。自分自身も同じ立場に置かれることによって視座が広がり、パートナーのことをより思いやれるようになる。結果として円満な家庭生活を送る工夫も出来てくると思うのだ。

この手の声を耳にするたびに、早く男性も産後数週間から数か月は育休を取るのが当たり前になればいいのに、と思う。家事育児にコミットし、パートナーとうまく分担しながら、家庭を築いていける人が増えたら、追い詰められて壊れていくお母さんや、悲しい事件は減るはずなのに、と。