24/7

24時間、週に7日。妻であり、母であるわたしの雑感。

人には人の、事情がある。

ふと目をとめた文章について、考えさせられている。


SNSに投稿された、ごくごく私的な文章なので、詳細は省くけれど、
「女性部下が、夫が休みの日なのに子どもを理由に突然当日欠勤した。ありえない。子どもが体調不良でも夫に任せて自分は出勤しろ」「私は子どもが最優先なので子どもが熱を出したら仕事を休むのは当然です!なんて堂々と言うなよ」
というもの。


う、う、う〜ん。まぁ、上司の気持ちも、当日欠勤をした子持ちの女性部下の気持ちも、わからなくもない。

業種にもよるけれど、当日欠勤はやっぱり職場の周囲の人間からすると困るよね。特にシフト制の接客業とかは滅多に余剰人員なんて無いだろうから、かなりピリピリするだろう。

一方で、女性部下の気持ちも汲みとれる。小さい子どもが熱を出すって、本当に胸が痛むのだ。小さな身体をぽっかぽかに火照らせて、ウルウルした目をして「ママ…抱っこ…」なんてうわ言のように言われた日には、「会社なんて、仕事なんてどうでもいい!ママ一緒にいてあげる!」と思ってしまう位心配になってしまうのだ。


上司は続ける。
「症状が軽く、感染症でもないなら病児保育を利用したらいいのに」
確かにね。ごもっとも。父親に任せられないのなら、プロにお願いするという手もある。


わたしがこの一連のぼやきに妙に引っかかりを覚えたのは、これが「3人の子どものいる、共働きの」女性管理職のぼやきだったからだ。
自身も同じ様な状況に陥ったことが少なからずあって、それでも病児保育などを活用して乗り越えてきたからこその、この苦言。


ああ、辛いなぁ。と思った。
子どもを持ちながら働く身としては、一番味方になってほしい「先輩」なのに、こんな風に「わたしはこうして乗り越えたのだから、あなたも同じようにしたら出来るはず。それをしないのは怠慢でしかない」とバッサリ斬られてしまうのは、正直言ってかなり辛い。


当然のことだけど、人はそれぞれ持っているリソースも違えば、価値観も違う。家庭の事情もそれぞれだ。

もしかしたら、夫が「家事育児は女の仕事」とばかりに非協力的な人で、たとえ休みで家にいても熱を出した子どもの看病をお願い出来ないのかもしれない。(実際そういう家庭をいくつも知っている)

病児保育もタダではない。登録して月額料金を払ったり、預けて1日単位で保育料もかかるだろう。家計の状況によっては、それすらも大きな負担になるのかもしれない。

もちろん、その女性自身が「子どもが最優先」という価値観をもっているみたいなので、体調が悪い時にまで病児保育に預けたくないという考えなのかもしれない。


だからこそ、理解してほしい同じ「子どもを持つ女性会社員」である上司に否定されると、中々堪えるものがある。同じ様な立場の彼女にすらそんな風に思われているのなら、いわんや男性上司になど到底理解してもらえないのではないかと、絶望的な気持ちにすらなる。

もう少し…もう少し寛容にいきましょうよ…と思ったりするのは、甘いのかなぁ?


まぁ、この話、背景をもう少し読み解くと別の側面も見えてくるのだけど…

実はこの部下、当日欠勤は初めてではなく、毎月のように休んでしまうのだそう。上司も初めのうちは温かく見守っていたものの、こうも毎月休まれると一言言いたくもなるというもの。(これだけで大分心証が変わるよね。)

更に、部下の子どもは小学1年生とのこと。小学1年生は…どうかなぁ?毎月のように熱は出るだろうか?自分の子どもがまだ未就学児なので、その辺りは何とも汲みとれないな。


子どもを育てながら仕事をするって大変だ。家庭内の協力は勿論のこと、職場の人の理解協力も得ながら働くことになるのだから。

そうなると、やっぱり日頃からの信頼関係の構築ってすごく大事なんだなー、とこの話を見ながら思った。
自身の家庭の背景を知ってもらうことも、こういった場合に役立つだろうし、自ら当日欠勤を減らす努力を見せることも大事だね。(あまりにも頻繁に休む必要がある場合には、時には自分のポリシーを曲げて、金銭面で少し無理をしてでも病児保育等活用する必要もあるのかもしれない。)
他の人が困っている時には、おたがいさまの精神で積極的にカバーを買って出よう。


あとはやっぱり(言葉の響き、わたしは好きではないけれど)「イクメン」を増やしていく、男性だって家事にも育児にも積極的に参加するのが当たり前だという大きな流れを作ることも大切ね。

父親が休んで看病するのも普通だという雰囲気が浸透すれば、何かあった時に交代で休めるし、男女共に「看病のための休み」に対しての理解も進んで、母親ばかりが休む度に肩身の狭い思いをすることも減るんじゃないのかな。


いつもながら全然オチはないけれど、今後復職する時のことや、人をマネジメントする立場になった時のことに思いを馳せるトピックだったのでした。


【今回思ったことのまとめ】
☑︎リソースも価値観も様々、正論であまり手厳しく弾劾しないで

☑︎仕事と育児の両立は周囲の理解と協力あってこそ。日頃から信頼構築は怠らず

☑︎そもそも男性の家事育児への進出によって、仕事と育児の両立への理解が深まるといいな